超低用量ピルってどんなお薬?
現在、毎日継続して飲むピルは「低用量ピル」と「超低用量ピル」の2種類があります。
ピルは「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という女性ホルモンに似た成分が含まれているお薬で、含まれるエストロゲンの量で種類が分かれています。
エストロゲンが50㎍(マイクログラム)より少ないものを低用量ピル、30㎍(マイクログラム)より少ないものを超低用量ピルと言います。
超低用量ピルの特徴
治療を目的として処方される
避妊目的で使用されるピルのことを、経口避妊薬という意味で「OC」(Oral Contraceptivesの略)といい、「月経困難症」や「子宮内膜症」の治療目的で使用されるピルのことを「LEP」(Low dose Estrogen Progestinの略)と言います。
超低用量ピルは基本的に治療目的で使用されるLEPに該当するため、避妊目的での処方は、日本ではされていません。
保険が適用されることがある
治療を目的として使われるLEPは保険が適用されるため、お薬の3割(保険の負担割合によって変わります)の値段で購入することができます(1万円だったら3,000円になります)。
※自由診療の場合は保険が適用されないため、事前に確認してみてください。
避妊目的の低用量ピル(OC)は保険適用外ですが、LEPとして処方される場合には保険が適用される場合もあるので、処方されたお薬の種類や詳細については、医師や薬剤師さんに聞いてみてくださいね。
副作用が少ない
超低用量ピルは、お薬に含まれるエストロゲンの量が1番低いため、他のピルに比べてホルモンバランスが変化しにくく、吐き気や頭痛などの副作用が出にくいという特徴があります。
飲み始めは不正出血が起こりやすい
超低用量ピルには、不正出血が起こりやすいという特徴があります。
特に飲み始めは不正出血が起こりやすく、ヤーズ配合錠の添付文書だと25.4%、ルナベル配合錠ULDだと81.1%の割合で不正出血が起こると記載されています。
不安を感じる方もいるかと思いますが、これはお薬の作用で身体のホルモンバランスが変化するのが原因で、飲み続けることで出血もおさまってきます。ただ、どうしても不安な方は、処方してくれた医師に遠慮せず相談してみましょう。
避妊効果は国内で検証されていない
超低用量ピルは、「月経困難症」や「子宮内膜症」の治療を目的として作られているため、避妊効果についての検証は行われていません。
海外では避妊を目的として使用している国もありますが、その効果については明確には分かっていないのです。避妊効果については医師によっても見解が異なりますので、気になる場合は処方してもらった医師に聞いてみてくださいね。
超低用量ピルの種類
超低用量ピルと呼ばれるものには、ヤーズ配合錠、ヤーズフレックス配合錠、ルナベル配合錠ULDが主としてあげられます。それぞれお薬ごとに飲み方や特徴が異なるので、医師や専門家と相談しながら自分にあったピルを処方してもらうようにしましょう。
お薬の値段
病院によって多少異なりますが、おおよそ10,000円〜17,000円です。
ただ、超低用量ピルは保険が適用されますので、このお値段の3割程度が実際支払う金額になります。
まとめ
今回は超低用量ピルについてご紹介しました。
超低用量ピルには、保険の適用や、副作用が少ないなどさまざまなメリットがあります。
月経困難症の治療目的でこれからピルを服用しようと考えている方や、避妊目的以外で低用量ピルを服用していて、副作用などにお悩みがある方は超低用量ピルの服用を検討してみても良いかもしれませんね。
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不安なこと、お悩みを薬剤師・助産師に直接相談することができます。