中用量ピルってどんなお薬?
特徴
中用量ピルは、低用量ピルと同様に、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という女性ホルモンに似た成分が含まれているお薬です。
低用量ピルと比べて、より多くのホルモン量がお薬に含まれています。
効果
中用量ピルは、「生理不順」や生理の出血量が多い「過多月経」、「月経困難症」などの改善効果が期待でき、治療薬として使われています。
また、治療以外にも、イベントや旅行などに生理予定日が重なる場合に生理日を移動させるために使われます。
スマルナでは、主に生理日移動のお薬として中用量ピルの処方を行っています。
飲み方
治療目的・生理日移動どちらの目的でも、中用量ピルを使用する場合は、必ず医師の指示に従って飲むようにしましょう。
生理日移動に関しては、お薬を飲むタイミングや飲み方は、生理を早めたい場合と遅らせたい場合で異なりますので、医師に相談してみてくださいね。
(移動させたい生理の1ヶ月以上前に相談することをおすすめします。)
基本的には、1日1錠を7〜10日間飲み続けることで、生理日を移動させることができます。
中用量ピルについて
生理日をずらしたい!中用量ピルを使った生理日移動
2021/11/14
気になる副作用
主な副作用としては、吐き気や頭痛などが挙げられます。
中用量ピルを飲んで吐き気や頭痛を感じた場合は、市販の吐き気止めや鎮痛剤などで対処することができます。
ただ、市販の鎮痛剤でアセトアミノフェンという成分が含まれているお薬には注意しましょう。
鎮痛剤の効果が十分得られない可能性や、吐き気などの副作用が悪化する恐れがあります。
どの薬を買ったらいいか分からない場合は、薬局にいる薬剤師さんに相談してみてくださいね。
鎮痛剤などを飲んでも治らないなど、副作用があまりにもひどい場合は、我慢せずに医師に相談しましょう。
リスクについて
乳がん、子宮頸がん
乳がん・子宮頸がんのリスクがわずかながら高くなるといわれています。
健康管理として、定期的に検診を受けるようにしましょう。
血栓症
まれに血栓症の症状が出てしまうことがあります。
血栓症とは、血管の中を流れている血液が固まり、血管を詰まらせることを言います。
血栓症は早めに治療を受けることで改善できる病気です。
もし次の症状が現れたら、血栓症の疑いがありますので、すぐに服用をやめて医師に相談しましょう。
- 突然の足の痛みや腫れ
- 手足のしびれ
- 押しつぶされそうな胸の痛み
- 息苦しさ
- 激しい頭痛
また、もともと血栓症を患っている人や、以前に患ったことのある人は、お薬の服用によって症状の悪化・再発の可能性があります。
診察の際には、必ず医師に伝えましょう。
妊娠している人
妊娠しているときにお薬を飲んでしまうと、赤ちゃんの身体に悪い影響があると言われています。
お薬の処方を希望する際には、妊娠の可能性がないかをしっかり確認するようにしましょう。
どこで買えるの?
日本で中用量ピルを手に入れるには、医師の処方が必要です。
近隣の病院を受診するか、オンライン診療を受診しましょう。
※通販サイトなどで売られているお薬には、体に有害な成分が含まれていたり、きちんとした効果が得られなかったりすることもあるようなので、必ず医師からの処方を受けましょう。
よくある質問
Q.生理日移動で中用量ピルを服用した場合、避妊効果はありますか?
A. 生理日移動で一時的にプラノバールなどの中用量ピルを服用した場合、避妊効果はありません。
Q.生理日を移動させた後、次の生理はいつ来ますか?
A.個人差はありますが、ほとんどの場合、移動させた生理日から数えたいつもの生理周期で生理が来ると言われています。
Q.生理日は最大何日くらい移動することができますか?
A.中用量ピルの1種であるプラノバール配合錠で生理を遅らせる場合、服用を開始した時期にもよりますが、最大10日程度調整することができると言われています。
ただ、生理を「遅らせる」場合は、移動させたい期間中ずっとお薬の服用が必要なため、服用期間中に副作用が出てしまう可能性があるので注意が必要です。
詳しくは医師に相談してみてください。
Q.プラノバール配合錠で頻繁に生理日を移動させたいのですが、可能でしょうか?
A.お薬の効果が間に合わず、月経がきてしまうことも稀にあるため、頻繁に生理日を調整したい場合、1相性の低用量ピルをおすすめしています。
毎日服用することで生理日の管理・調整が可能です。プラノバール配合錠よりも吐き気などの副作用が少なく、生理日のコントロール以外にも高い避妊効果や、生理痛、PMSの改善も期待できます。
まとめ
中用量ピルは、生理不順や月経困難症の治療、生理日のコントロールにとても有効なお薬です。
ただ、自己判断で飲んでしまうとその効果を十分得られないこともありますので、必ず医師の指示に従うようにしてくださいね。
生理とうまく付き合うための選択肢の1つとして、中用量ピルを活用できるといいですね!
医師監修:小林克弥先生
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