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ピルやIUDなど女性主体の避妊ってどう思う?その大切さと難しさについて

2022年3月7日


みなさんは、ピルやIUDなどの避妊方法に、どんなイメージがありますか? 「ちゃんと避妊できてるのか不安」という気持ちや、「コンドームでの避妊に失敗した」などの経験から、自分でできる避妊法を検討したことがある人もいるかもしれません。そして、そんなとき、さまざまなハードルを感じることもあるでしょう。 今回は、女性主体の避妊方法について一緒に考えていきます! 【執筆】スマルナ編集部 【監修】助産師/性教育YouTuberシオリーヌ

そもそも「女性主体」の避妊法って?

まず、避妊方法は大きく2つに分けられます。男性主体の方法と、女性主体の方法です。
※ここでの男性・女性は「妊娠の当事者になる=女性」「妊娠の当事者にならない=男性」という意味合いです。男女では分けられない多様な性やジェンダーについて認識していますが、この記事の中では、生物学的な理由から、大きくこの二つに分けて書いています。

男性主体の避妊は、使用する際に男性の行動が伴わなければいけません。コンドームは、男性主体の避妊法です。

女性主体の避妊は、「妊娠の当事者になる人が、自分でコントロールして避妊をすること」です。他人の意思の影響を受けずに、自分の意思と行動で避妊ができます。
具体的な方法として、低用量ピルIUD(子宮内避妊器具)などが挙げられます。


低用量ピルは女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)に似た成分が入っているお薬で、服用し続けることで排卵を抑制し、避妊効果を得ることができます。
IUDは、子宮内に小さな器具を入れることにより長期的に避妊効果を得ることができる避妊方法です。

避妊率は低用量ピル99.7%、IUD(銅付加IUD)99.2〜99.4%です。
コンドームは、理想的な使用での避妊率は98%です。しかし、コンドームは破れたり、途中で外れたりする場合があるため、平均的な避妊率は約87%と言われています。

上記のような、女性主体の避妊方法について、あなたはどんなイメージがありますか?
次は、スマルナInstagramのフォロワーさんに聞いたアンケート結果をご紹介します。

ピルやIUDなどの避妊法をどう思う?

女性主体の避妊法に対するイメージについて、スマルナInstagramでアンケートを実施しました。

Q1.コンドーム以外(ピルやIUDなど)を使った避妊方法について、どんなイメージがありますか?
※ここでの避妊方法とは、「妊娠機能をもつすべての人が主体的に使える方法」のことを指しています。

この質問では、約60%の人が「ポジティブなイメージ」と回答しています。
次に多いのが「どちらとも言えない」29.8%、「ネガティブなイメージ」は最も少ない13.1%となりました。

Q2.持っているイメージについて、自由にコメントで教えてください!

  • 安心して過ごせる
  • 副作用が不安
  • ピルは一石四鳥!避妊以外にも出血量が減る、生理痛が楽になる、PMS軽減される!
  • 実際に使いたいけどお金が高いイメージ
  • お値段や定期健診などの手間がなければすぐにでもやりたい!!!
  • 女性主体だからもし男性に裏切られても最低限身を守れる
  • 自分の身体をきちんと管理しているんだなと思う
  • とにかくお金がかかる...けど、自分の意思で身を守る選択ができる
  • 自由に選択できないイメージ。何も気にせず自分の好きなように選択できるようになったらいいのに
  • もっと普及して!

などなど、さまざまな声が集まりました。

「安心して過ごせる」「自分の身体を管理できる」といった意見もある中で、「副作用が不安」「費用や手間がかかる」「自由に選択できない」というコメントも。主体的な避妊を行いたくても、さまざまなハードルに直面している人が多いようです。

日本でメジャーな避妊法は?

そもそも、今の日本におけるメジャーな避妊法は、どの方法なのでしょうか?
国連が行った調査では、下記のようなデータが報告されています。

【日本】
女性主体:(低用量ピル)約2%、(IUD)約1%
男性主体:(コンドームと膣外射精)約90%
※膣外射精は妊娠の可能性が高く、正しい避妊法ではありません。

ちなみに、海外の数字はこちらです。

参考:World Contraceptive Use 2020

欧米諸国では、女性主体の避妊方法が多く取り入れられていることがわかります。保険が適用されたり、安価でアクセスできたりと、制度が整えられていることも普及の大きな要因です。
また、ピルやIUD以外にも、さまざまな女性主体の避妊方法が普及しています。例えば、皮膚に貼って避妊効果が得られる「避妊パッチ」や、皮下に埋め込んで数年間避妊効果を維持できる「避妊インプラント」などです。
※これらは、日本では未承認の避妊方法です。

これに対して、日本の現状は、男性主体の避妊法が圧倒的です。
次の見出しでは、日本におけるコンドームの使用について、詳しい実態を見ていきます。

コンドームを「つけてくれない」実態

ここでは、コンドームの使用について、ある調査結果を紹介します。
国際協力NGOジョイセフが、2021年に日本国内で行った調査では、下記のようなデータが発表されています。

「コンドームは頼まれなければつけない」と答えた男性の数▼
15~29歳:5人中1人(21.1%)
30~64歳:3人中1人(37.1%)
参考:「性と恋愛 2021 ー性・セックスの意識ー」国際協力NGOジョイセフ

また、同団体が実施した2019年の調査では、「女性の10人に1人は、『コンドームをつけてほしい』とパートナーに伝えたのにつけてもらえなかった経験がある」と報告されています。
みなさんは、こういった経験はありますか?

妊娠の当事者になる女性が、避妊法としてコンドームを選択したいと思ったとしても、そこに相手の男性の行動が伴わなかった場合には、妊娠の可能性を女性一人で背負うことになります。

大事なのはあなたの意思で選びとれること

ここで、伝えておきたいことが1つあります。
それは、パートナーが「コンドームをつけたくないから」といった理由で、あなたが望まない避妊法を選ぶ必要はないということです。

大切なのは、あなたが、安心して心地良く過ごせること。
そして、その選択肢をあなたが自分の意思で選びとれることです。

※もしパートナーが、あなたの「避妊したい」という意思を無視する場合、それは「性暴力」と考えられます。詳しくは、下記の記事でまとめていますのでぜひチェックしてみてくださいね。

避妊や妊娠など「どうしたいか」決める権利

妊娠は、人生に大きな影響があるイベントです。
自分の人生を、自分が生きたいように生きるためには、妊娠や出産など「どうしたいか」自分で決められることがとても大切です。

この、妊娠や出産など「どうしたいか」自分で決められることを、「SRHR(性と生殖に関する健康と権利)」と呼ぶことがあります。
これは簡単に言うと、あなたは避妊の方法や、妊娠したいタイミング、産む・産まないなどを自分で選ぶ「権利」があるよ、というもの。そして、あなたが幸せに生きられるためには、これらの権利がしっかり守られる必要がある、ということです。

聞き慣れない言葉かもしれませんが、SRHRはすべての人の「性」と「生き方」に関わる大切なこと。この権利に基づいて、それぞれのカップルが適切な避妊法を選ぶことが重要です。

※SRHRが指すものは、妊娠や出産に関する健康と権利以外にもたくさんあります。詳しくは、下記の関連記事からチェックしてみてくださいね。

主体的な避妊法を検討している人へ

Instagramアンケートに集まった意見や、日本での普及率の低さを見ると、女性主体の避妊法はまだまだハードルが高い選択肢であると感じます。ハードルを感じたとき、不安や負担を少しでも軽くするために、どんな方法があるのでしょうか?

ここでは、主体的な避妊を検討している人に向けて、4つのアイデアを考えてみました。
いま選択に迷っている人だけでなく、実際にピルやIUDを使って副作用や費用の負担に悩んでいる人など、少しでも参考になれば嬉しいです。

【①副作用のこと】
副作用について、いろんな不安を感じることがあるかと思います。気になることは、医師や専門家に相談するのがベスト。体質などによっては、ピルやIUDが適していない場合もあるので、診察の中で詳しく医師と相談できると安心です。

また、アプリ内のスマルナ医療相談室では助産師・薬剤師が無料で相談を受け付けています。ピルの副作用で気になることがあれば、ぜひ気軽に相談してみてくださいね。

【②受診のこと】
「一人での受診が不安」「パートナーにも詳しく知ってほしい」...そんなときは、カップルで受診できる病院を探して、一緒に医師の説明を受けてみるのも一つの選択肢です。二人で避妊に向き合えるように、作用や注意点など一緒に聞いておけるといいですね。

「ピルを処方してもらいたいけど、病院に行く時間がなかなか作れない」という人は、オンライン診察を試してみてください。インターネットにアクセスできる環境であれば、自宅や外出先からも診察を受けられるので便利です。

【③費用のこと】
特定のパートナーがいる場合は、費用を折半できるかどうか話しあってみましょう。

ピルは、お薬の種類にもよりますが、だいたい3000〜5000円/月。
IUDは、施術に3~6万円ほどかかりますが、一度装着すると約3~5年間は継続して避妊効果を得ることができます。(例えば、5万円で挿入したIUDを、5年間装着し続けた場合は「830円/月」で避妊効果が得られることになります。)
※料金は、医療機関によって異なります。

【④性感染症予防のこと】
ピルやIUDには、性感染症を防ぐ効果はありません。「コンドームを併用した方が安心」という場合は、その気持ちをパートナーに伝えてみてくださいね。

コンドームなしのセックスを検討する場合は、お互いにとって安全なセックスができるように、性感染症の検査などについても話し合っておきましょう!

広がってほしい選択肢

前の見出しでは、女性主体の避妊法を検討している人に向けて4つの提案を書きました。
でも、自力ではどうにもできないハードルも、中にはあると思います。

「SRHR(性と生殖に関する健康と権利)」において、日本には今たくさんの課題があります。
避妊の選択肢が少ないだけでなく、アクセスしにくいことも大きな問題です。ピルもIUDも費用が高額なこと、ピルの入手には処方箋が必須であることなどです。
※海外では、避妊手段へのアクセスが無料であったり、ピルが薬局で手軽に入手できたりする地域があります。

主体的な避妊ができるということは、自分の身体を管理できること。
自分の人生を、自分で決められるということです。

女性の主体的な避妊が、よりアクセスしやすく、より身近なものになっていけばいいなと強く思います。
そして、この社会を変えるために、スマルナも声を上げ、アクションしていきます。「ココロとカラダが健康で、ワタシらしい人生を選べる世の中をつくる*」ために。
*スマルナのミッション

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