コンドームの正しい使い方
まず、コンドームをつける手順を一緒に確認しましょう。
コンドームは勃起したペニスにつけます。まだ勃起しきっていない状態でつけてしまうと、隙間ができ精液が漏れてしまう可能性があります。
STEP①:コンドームを袋から取り出す
デリケートな粘膜に触れるものなので、手を綺麗に洗ってからコンドームを袋から取り出しましょう。
コンドームを傷つけないよう、中のコンドームを端に寄せ、ゆっくりと開封します。
勢いよく破くとコンドームに傷がつく可能性があるので、気をつけてくださいね。また、暗い部屋で開ける時にも慎重に。
STEP②:コンドームの先端にある「液だまり」の空気を抜く
コンドームの先端の細い部分(液溜まり)を指でつまみ、空気を抜きます。
※このステップで空気をしっかり抜かないと、挿入中にコンドームが破裂してしまう可能性があります。
【裏表をチェックしよう!】
ここでコンドームの表裏を確認しましょう!梱包に「男性側・女性側」などの記載があるものもありますが、記載がない場合は、コンドームを手に取ってクルクルと巻き下ろしてみましょう。
コンドームがスムーズに降りていく方向が、ペニスに装着する方向になります。
なお、裏表を間違えた場合は、必ず新しいコンドームを使いましょう。
一度ペニスにつけた側を裏返して着け直した場合、コンドームには「カウパー腺液(通称がまん汁)」が付着している可能性があり、妊娠や性感染症のリスクが高まります。
STEP③:勃起したペニスにかぶせる
ペニスの皮を根本によせ、ペニスの部分の皮膚がピンと引っ張った状態で、コンドームを装着します。
陰毛を巻き込まないよう注意しながら、指の腹を使って根本まで慎重にコンドームを巻きおろしましょう。
STEP④:根本の皮と一緒にコンドームを引っ張り上げる
巻きおろしたコンドームと、根本に寄せ集めておいた皮を一緒に、ペニスの先端へスライドさせます。
根本の皮がピンと張るようにしてください。
※コンドームとペニスを密着させることで、途中でコンドームが外れるのを防ぎます。
STEP⑤:再度コンドームを巻きおろして最終調整
先ほど引っ張り上げたコンドームを、根本まで再度引き下ろして準備完了です!
STEP⑥:射精後はコンドームの根本を押さえて引き抜いて
射精後は、コンドームの根本部分を押さえながら、すぐにペニスを膣内から引き抜きます。
捨てるときは中の精液が漏れないよう、縛るのがおすすめです。
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コンドーム使用の注意点
装着のタイミング
コンドームは、「性器が触れ合う前」から着用しましょう。
女性の膣内に挿入する性行為に適用するよう設計されているコンドームは、性器が触れ合う前につけることで性感染症や妊娠を防ぎます。
「射精の直前につける」という方もいるかもしれませんが、これはNG。
理由は2つです。
- 妊娠の可能性がある
- 性感染症に感染するリスクがある
勃起した状態のペニスからは、「カウパー腺液(通称がまん汁)」が出ていることがあり、精子が含まれている場合があります。このカウパー腺液でも妊娠の可能性があります。
※カウパー腺液…男性が性的興奮を感じた際にペニスの先端から出る無色透明の液体
また、性感染症は病原体を含んだ分泌物が粘膜や傷口に付着することで感染します。コンドームをしない状態で性器が触れ合うと、性感染症のリスクも高まるのです。
なお、口の中も粘膜なので、性感染症は喉にも感染します。挿入時だけでなく、オーラルセックスの時点からコンドームをつけるのが理想的です。
自分にあったサイズを選ぼう
コンドームは、ペニスの「太さ(直径)」にあわせて、サイズが分かれています。
きちんと避妊効果を得るためにも、身体に合ったサイズのコンドームを使用することが重要です。
コンドームのサイズが合っていないと、挿入の際に不快感や違和感を引き起こすだけでなく、セックス中にコンドームが破けたり、外れたりしてしまう大きな原因になります。
乱暴な取り扱い:爪は短く!
コンドームに使用されるゴムはとても薄いので、爪によって傷ついてしまうことがあります。
取り扱う際には、爪は立てず、指の腹で触れるようにしましょう。爪が長い場合は、爪を切ってから装着を行うのがいいでしょう。
優しく扱うようにしてくださいね。
暗闇での装着
コンドームを暗闇の中で取り扱う場合には、表裏を間違えていないか、きちんと装着できているか、より一層注意を払いましょう。
間接照明などで手元が見えるようにしてからコンドームをつけることをおすすめします。
暗闇で手元が見えず、コンドームを勘でつけている場合は避妊失敗のリスクがあります。
お互いの身体のためにも「コンドームが正しくつけられている」ことを確認できるようにしましょう。
財布に入れっぱなし
コンドームを財布やメイクポーチなどに入れっぱなしにすると、摩擦がおきてコンドームが破れやすくなります。
プラスチックの小さめのケースに入れるなど、外側からの摩擦が起こりにくいように持ち運ぶのがおすすめです。
使用期限
一般的に、コンドームの使用期限は3~5年前後と言われています。
メーカーによって使用期限は異なるため、使用前にパッケージをしっかり確認しましょう。
油分を含む潤滑剤
コンドームは油分に弱いため、ハンドクリームやワセリン、ベビーオイルなどが付着すると破損しやすくなってしまいます。
コンドームがうまくつけられないときは潤滑ゼリーや、潤滑ゼリー付きのコンドームなどを試してみましょう。
避妊失敗の可能性があるコンドームのトラブル
コンドームの平均的な避妊率は約87%と言われおり、避妊に失敗するパターンには、以下が挙げられます。
※コンドームを正しく使った場合の避妊率は約98%です。
避妊に失敗してしまった際に頼れるお薬「アフターピル」についてはこちらをチェック▼
アフターピルについて
アフターピルの正しい飲み方
2021/2/24
表裏を間違えた
表裏を間違えると、上記で説明した装着の手順、「STEP③」でコンドームを巻き下ろすことができません。
また、表裏を間違えたことに気づき、一度外してから正しい面で着け直した場合、外側に精液や細菌が付着している場合があります。この部分が粘膜に触れることで、妊娠や性感染症のリスクが高まります。
コンドームが途中で破れた・外れた
セックスの途中でコンドームが破れてしまった・外れてしまった場合は、射精前でもカウパー線液などが出ていることがあります。気づいた時点でセックスを中止しましょう。
射精後に破れていることに気がついた、ペニスを抜く際に外れてしまったという場合は、膣内に精液が漏れている可能性があります。
どちらもアフターピル(緊急避妊薬)の服用を検討することをおすすめします。
外れたコンドームが膣内で行方不明になってしまった場合は、産婦人科などで取り出してもらうことがおすすめです。
自分で探す場合は、膣内を傷つけないように気をつけましょう。
射精した後、しばらく挿入したままでいた
射精後のペニスは元のサイズに縮みます。余韻に浸っているうちに、コンドームとペニスの間から精液が漏れ出したり、膣内でコンドームが外れてしまう可能性があります。
射精後はすぐにコンドームの根本部分を抑えてペニスを膣内から引き抜きましょう!
コンドームの種類は豊富
ゴム(ラテックス)アレルギーでも安心
コンドームには、大きく分けて「天然ゴム(天然ラテックス)」と「合成ゴム(ポリウレタン)」の2種類があります。
ゴムアレルギーの方は、合成ゴム(ポリウレタン)のコンドームを選びましょう。
「大きすぎて着けられない」は滅多にない
コンドームは伸縮性があり、サイズもS~XLなどいろいろ。
メーカーにより異なりますが、だいたい直径28mm~50mm前後でサイズが選べます。
「ペニスが大きすぎてコンドームが着けられない」ということは滅多にないはずなので、正しいサイズを探し、きちんと避妊ができるようにしましょう。
まとめ
コンドームは、手順に沿って丁寧に優しく装着しましょう。
射精のときだけつけるのではなく、最初に膣に挿入するときからつけておくのが基本!
性感染症予防のためには、オーラルセックスを行う場合もコンドームをつけていることが理想的です。
また、保管方法や潤滑剤との相性などによっては、コンドームが破れやすくなることがあります。取り扱いには注意するようにしましょう。
コンドームにはたくさん種類があるので、自分・パートナーに合った素材やサイズを探してみてくださいね!
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