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性感染症にかかった時のパートナーへの伝え方!お互いの身体を守るためのコミュニケーション

2021年7月28日


「性感染症にかかっていることがわかった」「性感染症にかかっているかもしれない」というとき、あなたはパートナーにどのように伝えますか? 恥ずかしさや、浮気を疑われたくないなどの気持ちから、秘密にしておきたくなるかもしれません。 今回は、性感染症にかかったときのパートナーへの伝え方について、助産師/性教育Youtuber シオリーヌさん監修のもとご紹介します。 【執筆】スマルナ編集部 【監修】助産師/性教育YouTuberシオリーヌ

どうして伝えることが大切なの?

性感染症にかかったことをパートナーに伝えるのは、勇気がいることです。浮気していると思われたらどうしよう、どんな反応されるか心配...など、不安に思う気持ちもとても分かります。

ここで少し、伝えたときの未来と、伝えなかったときの未来について考えてみましょう。

まず、正直に伝えることができた場合です。パートナーが、できるだけ早く適切な検査/治療を受けることができます。感染症は放置しておくと症状が悪化したり、診断によっては命に関わるような問題に繋がってしまったりすることがあります。

正直に伝えることで、パートナーの健康を守ることができるのです

それに対して、伝えなかった場合はどうでしょうか。パートナーが適切な検査/治療を受けられず、パートナーの健康にさまざまな害をもたらす可能性があります。そうなったとき、「どうして言ってくれなかったの?」と、お互いの信頼関係にヒビが入ってしまうことも考えられるでしょう。

自分の感染がわかったら、パートナーの健康、そしてお互いの関係性を思いやって、正直に伝えるのがベストです。「今が話し合うタイミングかも」と、勇気をもって一歩踏み出してみましょう。

ピンポン感染について

正直なコミュニケーションが必要なもう1つの理由に、「ピンポン感染」のリスクがあります。

ピンポン感染とは、パートナー間で性感染症を繰り返し移し合ってしまうこと。つまり、仮に自分の感染が分かった場合、自分だけが治療してもパートナーは菌を保持しているため、性行為を行うたびに菌が移ってしまうのです。
※ここでいう性行為とは、性器同士の接触だけではなく、オーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)も含みます。

このため、感染したときは正直に伝えて、パートナーにも検査を受けてもらい、同時に治療することが大切なのです。

浮気をしていなくても性感染症にはかかる

「性感染症にかかった=浮気をした/不特定多数の人と関係を持った」というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

過去のパートナーとの性行為や、プール・温泉・タオルなどを通して感染する場合があります。
※梅毒・HIV感染症(エイズ)・膣トリコモナス感染症など、性行為以外で感染する性感染症も存在します

性感染症は無症状のことが多く、定期的に検査を受けていないと気づかないという落とし穴が。性感染症は、「誰でもかかることのある身近なもの」ということを覚えておきましょう。

どうやって伝えたらいいの?

では、パートナーにはどんな伝え方をしたらいいのでしょうか?コミュニケーションの方法は人によってさまざまですが、ここでは4つのステップを紹介します。

①話す前の準備をしよう

パートナーに打ち明けることに、不安や気まずさを感じるのは自然なこと。
伝えたいことをしっかり伝えられるように、何を話すか事前に準備しておくのがおすすめです。

【Step1:お医者さんに聞いてみよう】
もしも時間があれば、事前に医療機関を受診しておきましょう。「どんな治療が必要か、放置すると身体にどんな影響があるのか、治療にはどれくらい時間がかかるのか」などをお医者さんに聞いておくと、パートナーからの質問に答えやすくなるはずです。

【Step2:検査/治療できる場所を探しておこう】
どこで検査や治療ができるのか調べておくと、一緒にどんな行動をとるべきかパートナーに提案しやすくなります。お互いの住んでいる地域の医療機関など、どこに行って何をしたらいいのか調べておくといいでしょう。

【Step3:話す練習をしてみよう】
話す内容がまとまったら、口に出して伝える練習をしてみましょう。自分自身を相手にやっても、友達を相手にやってみてもOK。

練習しておけば、実際にパートナーに伝えるときに、焦って頭が真っ白になったり、感情的になって大事なことを言い忘れたりすることを防げるでしょう。伝えたいポイントを、紙や携帯のメモなどに書き出しておくのもおすすめです。

②場所・タイミングを選ぼう

センシティブな話題だからこそ、話し合いをする場所やタイミングには気を配ってみましょう。

【二人のプライバシーが守られる場所にしよう】
周りから話をさえぎられることなく、落ち着いて話せる場所とタイミングを選びましょう。二人のプライバシーが守られる空間、リラックスできる空間を選ぶのがおすすめです。

【セックスをする直前は避けよう】
セックス、または性行為を行う雰囲気になったときには、少し切り出しにくい話題かもしれません。

お互いの気分が高揚しているときは感情的になりやすかったり、急に知らされることでショックや動揺が大きくなってしまったり。また、うまく伝えられないまま性行為をしてしまうと、お互いにとってマイナスです。次の行為をする前に、しっかり話し合いの機会を作れるといいですね。

【文章で伝えるのはあり?】
面と向かって伝えにくい場合は、テキストメッセージや手紙などで伝えてみるのも1つの手です。文章にすることで、気持ちを整理することができたり、お互いにゆっくり相手の思いを受け取ることができたり、というメリットがあります。

でも、相手の顔色が見えないことで余計に不安になったり、文面の解釈にズレが生じてしまうこともあるかもしれません。「文面で先に伝え、詳しくは会って話そう」など、お互いにとって、できるだけストレスの少ない伝え方を考えてみてくださいね。

③具体的に伝えよう

事前の準備ができたら、パートナーに性感染症のことを伝えましょう。

伝えるポイントは、主にこの3つです。

  • 自分が診断を受けた性感染症について
  • 検査や治療の受け方
  • 一緒に治療をしようということ

調べたことや、お医者さんに聞いたことをできるだけ具体的に伝えます。現時点で治療はしているのか、お医者さんからどんなアドバイスをされているのか、などについても話せる範囲で伝えてみましょう。

今から何をしたらいいか」がわかるとパートナーも前向きに行動を起こすきっかけになるかもしれません。いま分かることを伝えて、これからの行動を一緒に考えていけるといいでしょう

また、仮にパートナーの検査結果が陰性の場合も、あなたが完治するまでは性行為を控えるのがベストだということを伝えておきましょう!

④相手の気持ちを聞こう

伝えた後は、パートナーの気持ちにしっかり耳を傾けることも忘れないようにしましょう。

【二人の関係性について】
もしかしたら、パートナーが不安やモヤモヤした気持ちを抱いてしまうこともあるかもしれません。パートナーが、「少し考える時間が欲しい」といった場合には、相手の気持ちを尊重してあげることも大切です。

【検査や治療について】
もし、パートナーが検査や治療に前向きでない場合は、理由を話し合ってみましょう。かかる費用や検査方法など、気になることを二人で一緒に調べていけば、ちょっとずつ前向きになれるかもしれません。

「犯人捜し」より「一緒に検査/治療」が大事

このコミュニケーションにおいて最も大事なのは、責任を追求することではありません。お互いが検査を受けて、一緒に必要な治療をすることです。

性感染症は、過去のパートナーから感染していたものが時間を経て発症することもあるので、どちらが先に感染したかを検査で調べることはできません。

パートナーを疑うのではなく、「念のため検査を受けてほしい」「一緒に治そう」と言って、次のステップを一緒に考えていくのがいいでしょう

また、あなたが誠実に向き合っているのに、パートナーがちゃんと話を聞いてくれない場合は、一度関係性を見つめ直してみてもいいかもしれません。あなたを非難したり、傷つけるようなことを言ってきたりした場合は、あなたのココロと身体のためにも少し距離を置いてみることをおすすめします

性感染症への感染は、あなたの価値を落としたり、魅力を損なわせたりするものではありません。パートナーと話し合いがうまく進まない場合は、まずは自分の身体を大事にすることを優先的に考えましょう。

伝えたあとは

まずは、パートナーに検査を受けてもらうことが必要です。

性感染症の検査は、医療機関だけではなく、保健所やインターネットで販売されている性感染症検査キットなどを利用することもできます。

検査で陽性反応が出た場合は、速やかに医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。

性感染症の検査・治療のために病院に行くのは、決して恥ずべきことではありません。感染症は放置しておくと悪化したり、不妊に繋がってしまったりします。早めの受診が何よりも大切です。

まとめ

「自分は大丈夫」と思っていても、性感染症は誰でもかかることのある身近なものです。

もし感染してしまった場合、パートナーに伝えるのは勇気が必要ですよね。だからこそステップを踏んで、何をどう伝えるか準備しておくことをおすすめします。

また、この話をするときに大切なのは、だれが犯人かではありません。

お互いの健康のためにも、感染した場合は正直につたえ、二人で適切な検査や治療を受けることを最優先にしましょう。

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