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誰も教えてくれない「性的同意のとりかた」:アクションを起こしたいときのアイデア4選

2021年10月27日


皆さんは、「性的同意」という言葉を聞いたことがありますか? 性的同意とは、性的な行為を行う前に、お互いがその行為を積極的に「したい」と思っているか確認することです。 これは、お互いが安心できる関係を築くために欠かせないコミュニケーションの1つ。でも、普段の生活で性的同意をとる方法となると、なかなか具体的なイメージが湧かなくて、実践するのに高いハードルを感じてしまう人もいるかもしれません。 今回は、パートナーと一緒に試せそうな性的同意のとりかた4選をご紹介します! 【執筆】スマルナ編集部 【監修】助産師/性教育YouTuberシオリーヌ

そもそも、性的同意って?

性的同意とは、性的な行為を行う前に、お互いがその行為を積極的に「したい」と思っているか確認することです。

ここで言う性的な行為とは、セックスだけではなく、身体に触れたり、キスをしたりといったことも含まれます。相手の身体に触れたり、性的な触れ合いを行うときには、お互いの「同意=その行為をしたいという同じ気持ちであること」を確かめることが必要なのです。

同意がなければ、例えセックスをしていなくても、その行為は「性暴力」と考えられます。イヤな気持ちや、居心地の悪い状況で行為があったあと、どこか納得がいかなくてモヤモヤしたり、傷ついたりした経験がある方もいるのではないでしょうか。

性暴力というと、なんだか大げさな感じがして、自分には関係ないことと思ってしまうかもしれません。でも、性暴力は意外と身近なところに潜んでいるのです。

なお、性的同意を確認する責任は、アクションを起こしたいと思った人にあります。そして、確認をとられた側は、どんな状況でも、YES・NOを自由に表現する権利があるということを、覚えておきましょう。

性的同意って何のためにとるの?

結論からいうと、性的同意はお互いのココロと身体を思いやり、安心感のある心地いい関係を築くためにあります。といっても、あまりピンと来ないこともあるかもしれませんね。まずは、「同意」という言葉だけ抜き出して、少し普段の生活のことを考えてみましょう。

例えば、友達と行きたい場所や食べたいものを決めるとき、お互いの意見を出し合って一緒にプランを決めますよね。

でも、もし友だちがあなたの意見を無視して、あなたが行きたくない場所に連れて行ったり、食べたくないメニューを勝手に注文したりしたら、あなたはどう感じるでしょうか?きっとモヤモヤしたり、不快な気持ちになったり、相手への信頼感が傷ついて「この人と一緒にいたくないな」と感じたりするかもしれません。

このように、日常生活の中でもお互いがその行為を積極的に「したい」と思っているか確認することは、信頼関係を築く上でとても大切。性的な行為であれば、さらに下記の2つの大きな理由から「同意」がより重要なものになります。

【理由】
1.人の身体はその人自身のものだから
自分が「どうしたいか」を決めるのは、その人自身が持っている権利です。

ひとつしかない大事な身体を、本人の許可なしに触ったり、好き勝手に利用したりすることは、その人が「どうしたいか」決める権利を奪っているということであり、その人のココロと身体を傷つける暴力なのです。

どんなときも、お互いが持っているこの権利を尊重しあいましょう。

2.性行為はココロにも身体にも大きな影響を与える行為だから
性行為がココロと身体に与える影響は、愛情表現や快感といったポジティブな影響であることもあれば、予期しない妊娠や性感染症への感染、望まない行為をしたことによる精神的なショックなどネガティブな影響であることもあります。

だからこそ、お互いが安心して体験を共有できるよう、思いやりを忘れないことが大切なのです。

性的同意のとり方がわからない...実はみんなが悩んでます

とはいえ、「ムードを壊したくない」「恥ずかしい」などの気持ちから、積極的にコミュニケーションをとるのが難しいと感じるのもよくわかります。

「カップル同士なら毎回確認しなくてもいいんじゃない?」と思う人もいるかもしれないし、「セックスは男性がリードすべき」という考え方や「はしたない女性と思われたら...」という気持ちから、女性から誘うのは勇気がいると感じる人も多いかもしれないですね。

ですが、性的同意は、パートナー間であっても常に必要なもの。そして、性的同意をとるアクションに性別は関係ありません

 そんな方に忘れないでいただきたいのは、相手とスキンシップを取りたいと願う気持ちにも、同意を確認するアクションにも性別は関係ないということ。
相手と触れ合いたいという気持ちを素直に伝え、相手の意思を誠実に確認しようとする姿勢をとれる人は、どんな性別であってもとてもかっこいい人だと私は思います。
出典:CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識 シオリーヌ(大貫詩織) 著

性的同意のとり方を知っておくことで、パートナーへの思いやりを表現できるだけではなく、コミュニケーションにおける二人のルーティーンができ、より気軽に、楽しくコミュニケーションをとれるようになることが期待できます。

最初は少しハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、今この記事を読んでくださっているだけでも、パートナーとより良い関係を築くためのコミュニケーションに向けた大きな一歩だと思います。そんな自分を褒めながら、読み進めてみてくださいね。

これだったらできるかも?性的同意のとり方4選

さて、ここからは、性的同意を確認する下記の4つの方法を紹介していきます。

①キーワードを決めておく
②合図を決めておく
③LINEやDMなどで伝える
④もちろん直球勝負もアリ

基本的には、同意をとる側の人(アクションを起こしたいと思った人)に向けた内容になっていますが、同意をとられる側の場合も、サインなど応用できそうなものを見つけていただけたら嬉しいです。「自分が聞かれたらどんな返し方をするかな?」と想像しながら、ぜひ読んでみてくださいね。

【注意点】
合言葉などを試すときは、お互いが同じ意味合いで理解することができるように、パートナーと一緒に話し合って決めておきましょう!

①キーワードを決めておく

「セックス」や「コンドーム」など、セックスにまつわる言葉を普段口にするのが恥ずかしかったり、パートナーをびっくりさせてしまわないかと心配になったりする人もいるかもしれません。

そんなときは、二人が言いやすいように言い換える言葉をつくって、二人の合言葉・キーワードとして使ってみるのがおすすめです。二人で話し合って、気軽に使えそうな言葉を見つけてみてはいかがでしょう?

(例A)「コンドーム」→「スーツ」「帽子」と言い換え

  • 「今、スーツ持ってる...?」
  • 「念のため帽子持ってきたんだけど、今日はどんな気分...?」

(例B)「セックス」→「仲良し」「イチャイチャ」と言い換え

  • 「久しぶりに仲良ししたいんだけど、どうかな?」
  • 「今日、このあとイチャイチャしない?」

②合図を決めておく

言葉でコミュニケーションをとるのに少し抵抗がある場合は、ジェスチャーなどを使った合図を試してみるのも1つの手です。

特別な身振り手振りなどを考えたり、もしくは、部屋に特定のアイテムを置いたり、照明の色で合図をしてみたり...。
二人で、楽しく合図ができる工夫を凝らしてみましょう!

(例C)

  • 誘いたい側:相手に見えるように指ハートをつくる
  • 誘われる側:YES→指ハートを返す NO→指バツマークで合図

(例D)

  • 誘いたい側:間接照明のライトを特定の色(ブルー)にする
  • 誘われる側:YES→ライトをピンクに NO→ライトを消す

(例E)

  • 誘いたい側:枕元にネコのぬいぐるみをおいておく
  • 誘われる側:YES→ぬいぐるみを抱っこする NO→ぬいぐるみを棚に戻す

③LINEやDMなどで伝える

LINEやDMなどを使ったコミュニケーションは、面と向かっての合図や口頭でのコミュニケーションが苦手な人におすすめです。

文字にすることで、顔を合わせては言いにくいことも、思い切って伝えられることがあるかもしれません。また、絵文字やスタンプなどを合図につかってみると、LINEやDMならではのコミュニケーションがより楽しめそうですね!

(例F)

  • 誘いたい側:フラミンゴの絵文字を送信
  • 誘われる側:YES→海の絵文字、NO→山の絵文字 で返信

(例G)

  • 誘いたい側:今日する?のスタンプ
  • 誘われる側:YES→YES枕のスタンプ、NO→NO枕のスタンプ

※ここでは、助産師/性教育Youtuberシオリーヌさんの性的同意スタンプを使っています。もし、すでに持っているスタンプで「YES・NO」が伝えられそうなものがあれば、ぜひ試してみてくださいね!

④もちろん直球勝負もアリ

もちろん、「キスしていい?」「セックスしない?」などストレートな言葉で聞いてみるのもアリです。

こっそり耳もとでささやく、じっと瞳を見つめて伝えてみる、無邪気な感じで口にしてみる....。色んな伝え方を試しながら、お互いにとって心地いい言い方や、キュンとするフレーズなどを探してみるのもいいかもしれませんね。

(例H)

  • 「手つないでいい?」「キスしていい?」とはにかんで伝えてみる
  • 「ここ、触っていい?」「セックスしない?」とこっそりささやく

その都度確認するのも忘れずに

性的同意で大切なポイントの1つに、「その都度確認すること」というものがあります。
一度「YES」を示したからと言って、その後はもう同意を確認しなくていい訳ではありません。

また、セックスにおけるコミュニケーションは、合図だけでは補え切れないところもあります。「相手が心地いい時間を過ごせているかな?」ということを常に頭に置いて、言葉でも丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。

「その都度確認する」の2つの意味

①スキンシップを始める前は毎回同意をとろう
性的なスキンシップをとりたいと思ったら、その度に相手の同意をとることが必要です。「付き合っているから、いちいち聞かなくてもいい」「結婚しているから、セックスを断るのはおかしい」というのは大きな間違いです。どんなときも、お互いが積極的に「したい」と思っているかどうかを確認し合いましょう。

②ステップごとに同意をとろう

性的なスキンシップは、たくさんのステップの連続です。一度のYESが、その後のステップ全部に自動的に同意したことにはなりません。「キスはOKしたけど、身体に触れられるのはイヤだった」ということもあるでしょう。

次のステップに進みたいと思ったり、違う触れ合い方をしたいと思ったりしたときには、「~しても大丈夫?」「ここ触ってもいい?」など、その都度パートナーの気持ちを確認することを心がけましょう。そうすることで、きっとお互いの安心感も増すはずです。

途中でやめてもいいんだよ

また、一度セックスが始まると、「最後までしないと...」とプレッシャーを感じて、途中でやめたくなっても我慢してしまう人もいるかもしれません。

最初に性的同意をとっていても、気持ちや体調は変わるもの。ここで知っておいてほしいのは、セックスは途中でやめたくなったらいつでもやめていいということ。

そして、いつでも「やめたい」という気持ちを相手に伝えていいということです。

なお、「やめたい」と伝えられた側は、相手の気持ちを尊重することを忘れないようにしましょう。ここで自分の「行為を続けたい」という気持ちを押し通すことは、相手を傷つける性暴力と考えられます。

どんなときもお互いの気持ちを丁寧に確認すること、そして、気持ちが変わったらいつでも伝えあえる環境づくりを心がけるようにしましょう。

まとめ

お互いのココロと身体を思いやって、心地いい関係を作るのに欠かせない性的同意。性別や関係性に関わらず、「アクションを起こしたい」と思った人が、相手の気持ちをしっかり確認することが必要です。

今回紹介した4選の中で、もし「できそう!」と思うものがあれば、試せそうなものから試していただけたら嬉しいです。二人の特別なルーティーンができることで、心の距離もぐっと近づくかもしれません。

紹介した方法以外にも、ぜひパートナーと一緒に、二人のオリジナルのコミュニケーション方法を見つけてみてくださいね!

参考文献:CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識 シオリーヌ(大貫詩織) 著

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